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アパレルヤクザというシゴト

どーも。アパレルヤクザのピロミです。

このアパレルヤクザってなんなん?と思っている方のために、そろそろ私の仕事を少しご説明します。
お付き合いください。

”アパレルヤクザ”とは一体どんな仕事?

私は某アパレルメーカーに勤務しております。
服を製造管理している仕事です。

ざっくり業界的な説明すると、

生地の手配を含め、服を生産するメーカーなどが川上

皆さんが着ている服にもブランドがあるかと思いますが、それを企画しているアパレル会社が川中

服を販売する百貨店などの店舗が川下

となって服は流通しています。

私はこの業界でいう川上にあたる部分で仕事をしています。

ヤクザ業務とは一体なに?

アパレルメーカーで勤務しているのはご理解して頂けたでしょう。
いや、待って、じゃあヤクザってなんなん?

例えば、みなさんのヤクザってどんなイメージですか?
私は借金を取り立てるイメージです。

つまり、
アパレルヤクザ=服を取り立てる仕事

と思っていただければ。

おそらく、メーカーでやりがいを持って働いている人は”服を作っている!”と思っているはずですが、
私にはそうは思えませんでした。

”服を取り立てている”なんて思いながら働いているのは私くらいかもしれません。
そう思ってしまうヤクザ業を少しづつお話していきます。

大量のサンプルを作る

服が商品として流通するまでに、何度もサンプルをつくります。

私はこの展示会が本当に必要なのかと疑問を抱くのですが、
私の担当している取引先(アパレル企業)は年に4回展示会を行います。
1シーズン、1回のペースです。
1回の展示会に100枚ほどのサンプルを作ることもしばしばあります。
だいたいの取引先はこのサンプルを実店舗のように展開し、そこで生産数量を決めたり、今後の展開についての会議を行ったりします。
展示会サンプルは実際の店舗を想像させないといけない為、サンプルは商品同等のクオリティーを求められます。

サンプルはゴミへと化ける

この展示会が終わればサンプルはメーカーの元へ返却されます。
もちろん商品として成り立つものは商品として売りに回しますが、
生産状況的に生地が間に合わないものは、代用の生地を使用してサンプルをつくります。
もちろんこのサンプルは商品としては販売できません。
でも商品同等のクオリティーのサンプルですから、
デザインの権利はアパレル会社のもの、転売はもちろん禁止です。

そう、この展示会サンプルのほとんどは行き場を失ったゴミへと化すのです。

納期との戦い

展示会サンプルは工場に作成依頼をします。
枚数が多いので、サンプルとはいえ、毎回軽い本生産をしているような状況でした。

展示会の日程はその日限り(取引先によりますが、短くて1日、長いところは1週間ほど行います。)
なのでサンプル手配が間に合わないということは許されません。
いかに事前準備と余裕を持ったサンプル依頼をするかが重要です。

アパレルヤクザになる瞬間

サンプルを工場に依頼し、サンプルを受け取るまでに私はアパレルヤクザに化けます。
何も初めからヤクザとして依頼してもサンプルは手に入りませんから。
初めは優しくお金を貸して、無茶な金利を請求して起きならが、返せません!と言ったらブチ切れる!
というヤクザのイメージをみなさんももってないですか?
ですので、最初は優しい優しい担当者を偽っています。
私がアパレルヤクザになる瞬間どうぞご覧ください。

(クソ優しいアパレル担当者)頑張ってサンプル作ってね!
(工場) OK!
(クソ優しいアパレル担当者)どう?サンプル納期に間に合いそう?
(工場)無理かもしれない。
(アパレルヤクザ)は?なんで?OK!って言ったやん?
サンプルは絶対いるから!何としてでも間に合わせろ!

ここで私はヤクザへと化すのです。
服を取り立てます。

ましてやゴミとなるとわかっているサンプルを一生懸命取り立てるのです。
ヤクザでしかないです!笑

いろいろトラブルがあり納期に間に合わないとか、スケジュール的にかなり難しいこともある中で
私たちは服を何としてでも取り立てています。
金融のヤクザ業の”無茶な金利”の部分を
アパレル業の場合では”無茶な納期”として取り立てています。

金融のヤクザの場合、取り立てたお金が利益となっていますが、
アパレル業のヤクザはそもそも利益になっていません。

なぜなら、

ゴミなんですから!残念!(古すぎて.....自分でも悪寒がした。苦笑)

お金をかけて嘘をつく

おまけにもう1つ、取り立て業務以外にごまかし業務もヤクザやなーと思う理由の1つです。
あまり詳しい話はできないのですが、
簡単にいえば、トラブルをお金でごまかします。
お金でごまかすといえば語弊があるのかもしれませんが、ごまかす手段にお金をかけています。
この業界では当たり前なのでしょうか...

最後に本当に伝えたいこと

アパレルヤクザとはこんな仕事をしています。
少しお分かり頂けましたー?

でも最後にちゃんと伝えたいことがあります!
このまま仕事の不満をぶつけただけのブログでは終われません。
聞いてください。

ゴミを取り立てる毎日は不満ばかりで、決して誇れる仕事ではありません。
でも、服をつくることは好きで誇れる仕事です。(これだけは声を大にして言いたい!)

大量生産かつ大量消費の時代は終わり、個人へ服を届けることができる時代へと変わっていきました。
だから、おんなじことを繰り返していていいのか、服のつくり方、売り方も変わって行かなければいけないのに、

なんで?
このまま?
昔のやり方のまま?
ずっと?
ほんまに?

という疑問を抱き毎日を過ごしてきました。

一番先を突っ走る業界であるべきなのに....

私はヤクザになりたかったわけではなく、ただただ服を作りたかったんです。ただそれだけなんです。
その気持ちと葛藤しながらも、服をつくることへの概念を変えてきた人たちがいました。
そういう人たちのものづくりを知って、生き方を知って
「あ、私はこっちをやりたかったんやなー」と気づきました。

何も服をつくることの概念を変えた人だけに影響されたわけではないです。
そう、好きなことで生きてる人たちに気づかされたんだと思いました。
そういう人たちを私は今まで知らなかったから、知ることだけでも意味があるのかなと思います。

だから、好きなことで生きていきたいあなたに知ってほしいし、
何か気づきにつながればいいなと思って記事を書いていきたい!と思っていることを伝えたかったんです。

でも、また明日からも服を取り立てるけどね!